初心者さんにも良くわかる!押さえておきたい着物の種類 | KIMONO NADESHIKO

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2017年9月18日

着物

初心者さんにも良くわかる!押さえておきたい着物の種類

引用:足成

振袖、留袖、訪問着、小紋に紬、etc。着物にはフォーマルなものからカジュアルなものまで様々な種類や格があります。着物で結婚式やパーティーに出かけてみたいけれど、いろいろ決まりがあって難しそう…なんて思っている人も多いんじゃないでしょうか?シチュエーションや、年齢、季節に合わせて、素敵に装いたいものですね。そこで、今回は着物の大まかな種類についてご紹介しようと思います。

最も格の高いフォーマル着物「留袖」

引用:足成

留袖には「黒留袖」と「色留袖」の2種類があります。裾のみに施された絵羽模様(縫い目にまたがる模様)が特徴的です。裾のどの辺りまで柄がくるかは年齢によって決まっており、年齢が高くなるほど柄行き(がらゆき)は低い位置となります。

黒留袖は既婚女性の第一礼装で、結婚式などのお祝いの席で新郎新婦の母や、親族の既婚女性、仲人夫人が着る五つ紋の入った着物です。

色留袖は黒以外の留袖全てを指し、既婚、未婚どちらでも着ることができます。紋の数により着物の格が決まり、五つ紋は黒留袖と同格、三つ紋、一つ紋にすると、初釜や華やかなパーティーにもぴったりな準礼装となります。

成人式でおなじみ 未婚女性の第一礼装「振袖」

引用:ぱくたそ

振袖は未婚女性の第一礼装です。成人式で一度は着たことがあるという人も多いんじゃないでしょうか。袖の長さで本振袖、中振袖、小振袖というように分かれており、袖丈が長いほどよりフォーマルで、成人式や、結婚式で花嫁が着るのも本振袖になります。

未婚女性のための着物ですが、最近では結婚式に参列する際、華やかな振袖姿が喜ばれるということもあって、結婚していても、若い女性の場合はあえて振袖を着用することがあります。帯の合わせや結び方で雰囲気がガラッと変わるのが着物の面白さであり奥深さ。年齢に合わせて素敵に振袖を楽しみたいですね。

幅広く活用できるフォーマル着物「訪問着」

肩から胸、袖、裾にかけて連なった絵羽模様が美しい、既婚、未婚の区別なく、幅広い用途で着ることのできるフォーマルな着物です。華やかなものから落ち着いた雰囲気のものまでデザインも幅広く、豪華なものは、一つ紋を付け、準礼装とすることもできます。

ただ、どんなに素敵なデザインであったとしても、シチュエーションによっては向き不向きはあります。結婚式にはやはり格調高く、優雅な古典柄がおすすめですし、観劇や華やかなパーティーにはモダンな柄の訪問着も素敵です。他にも、入学式や卒業式などのセレモニーにも訪問着はふさわしい着物と言えるでしょう。

日常を華やかに お洒落の幅が広がる「小紋」

全体に文様が配された型染めの着物です。しゃれ着(外出着)の代表格で、カジュアルな普段着としての一面と、ちょっとしたお出かけや気軽なパーティーにも対応できる、華やかな面を併せ持った着物です。

小紋は柄の種類や大きさで雰囲気がかなり異なりますが、「江戸小紋」と呼ばれる、遠目から見れば無地に見えるほど細かい柄が染め抜かれたものは、一つ紋を入れれば準礼装として通用する格の高い着物です。もともと武士の裃(かみしも)から発展した柄で、特に「江戸小紋三役」と呼ばれる「鮫」「行儀」「通し」と呼ばれる柄は、格が高いとされ、フォーマルな着物にもぴったりです。

小紋は、普段着としても、おしゃれ着としても楽しめる着物です。半幅帯でさらっと気軽に着こなすのも良いですし、ちょっとお召かししたい時には、袋帯や名古屋帯を合わせれば、カジュアルなパーティーや食事会にも最適なお出掛け使用になります。小物や帯の組み合わせで、何通りにも着こなせるのが楽しいですね。自分らしい着こなしを研究しましょう!

ざっくりとした風合いが魅力的 通好みの「紬」

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素朴で温かみのある風合いが魅力の紬。先染めの糸を反物に織り上げ、着物に仕立てます。紬はそのほとんどが節のある糸で織られていますが、これはもともと、養蚕農家が商品にはできない繭糸を用いて織っていたからです。そのためかつては紬=普段着でしたが、今では高い伝統技術が評価され、しゃれ着としても着られようになりました。現在では着物に仕立ててから染める後染めのものや、絵羽模様を施した訪問着なども作られるようになり、広がりを見せています。

ちなみに有名な「大島紬」は高級織着物の代表ですが、節のある紬糸ではなく、本絹糸を使って様々な模様を織りだした着物です。そのためいわゆる紬とは風合いが異なり、独特の光沢とシャリ感のある、着物ファン憧れの着物の一つとなっています。

しかし、どんなに高価な大島や、作家ものの紬であっても、結婚式などの公式なセレモニーでの着用はNGです。とっておきのおしゃれ着として楽しみましょう。

紬は着るほどに生地が柔らかくなり、美しい艶が現れ、体に馴染みます。着物通の人が最も好む着物であり、着る人の個性を良く表す着物と言われています。もとはカジュアルな普段着です。肩肘張らずに、まずは着てみる!紬を日常に取り入れてみませんか?

TPOに合わせて素敵に着物を装いましょう!

いかがでしたか。種類だけでなく、季節や年齢、帯や帯締めの合わせ方にも決まりがある着物の世界は奥が深い!初めは難しいかもしれませんが、決まったルールの中で、いかに自分らしさを出していけるかはセンスの見せ所です。思っている以上に遊び心を取り入れた着こなしができるものなんですよ。TPOに合わせて、自分らしく着物を楽しんでいきたいですね。

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