日本人なら知っておきたい!着物の歴史を学んでみよう | KIMONO NADESHIKO

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2017年9月18日

着物

日本人なら知っておきたい!着物の歴史を学んでみよう

引用:pixabay.com

日本の伝統的な衣服である着物。「kimono」は国際語として成立しており、世界的にも有名な存在です。いわば日本人の民族衣装である着物の歴史をご存知でしょうか?今回は、日本人なら知っておきたい、着物の歴史に関してわかりやすくまとめてみました。美しいだけでなく、世界的にも珍しい「四季」のある、日本の風土に合った着物の歴史を見ていきましょう。

着物とは?長い歴史があるって本当?

引用:visualhunt

着物とは、広義では「着るもの(衣服)」のことです。ただし、「kimono」が国際語になっていることからもわかるように、世界的な認識では和服=着物として認知されています。日本人の伝統的な民族衣装です。現在「着物」と聞いて思い浮かべるような身近な形になったのは江戸時代のことですが、日本人の服装の歴史はそのまま着物の歴史である為、長い歴史があります。古代から各時代ごとの特徴などをまとめてみました。順番に見ていきましょう。

古代~奈良時代にかけての着物とは?

引用:Youtube by IDOJIRIKOUKOKAN

縄文時代の頃は、衣服と言えば身を守るための手段であり、装飾的な意味合いはなかったとされています。しかし、弥生時代の頃から、ズボン型やワンピース型の衣服が用いられるようになりました。

飛鳥・奈良時代の頃には、遣隋使や遣唐使が当時発展していた中国大陸の文化を持ち帰った為に、漢服の影響を受けた衣服を身につけるようになります。地位や役職などによって、身につける衣服の形式や色合いなどに違いが生じていることも確認されています。ただし、歴史が古いこともあり、まだ解明されていないことも多々あります。不明点も多いです。中国大陸の文化を取り入れようと奮闘していたのではないかと考えられています。

現在の着物の原型が出来た平安時代

引用:Youtube by Aderi Labo

現在の着物を見てもわかるとおり、着物は、着る人の体の線にとらわれず、直線に裁った布地を縫い合わせることで作られています。このような「直線裁ち」の方法が確立したのは平安時代です。直線裁ち手法の着物は、薄くたたむことができ、重ね着や素材の組み合わせが自在で、日本の風土に合っていました。その為、平安時代以降、深く日本人の生活に浸透するようになったのです。

庶民の服装に関しては不明な点が多いですが、解明が進んでいる貴族や皇族が用いた平安装束に関しては、現在でも人気が高いです。お雛様などで親しんでいることも影響しているでしょう。

色の組み合わせを重んじる気質が育まれたのもこの頃からと言われています。日本最古の配色マニュアルである「重ね」の色目も誕生したのです。季節を感じる事が教養であったこともあり、それぞれの組み合わせに四季折々の花や風物を借りた名前が多く付けられています。

鎌倉時代や室町時代は色鮮やか!?

引用:Youtube by Cammie Judd

徐々に武士が台頭していきたこともあり、着物は実用的なものへと変化していきます。武家における男子の服装は直垂、女子は衣袴を用いることが一般的でした。この時代の頃から、女性だけでなく男性も色鮮やかな着物を着るようになります。

特に戦地に着ていく大将の衣装は、個性的で艶やかなものが多かったようです。甲冑など、独自の具足が発展したように、日本人の美意識が活かされていたのでしょう。戦場はある意味では、現代で言うところのファッションショーに近い存在でもあったと思われます。

江戸時代から現代への着物の変化の歴史

引用:Youtube by まじか! これくしょん

江戸時代は、安定した徳川幕府のもと、庶民の文化として小袖が大流行しました。この時代の小袖は、現在の着物とほとんど変らない形となっています。庶民の生活としては、着物の上に羽織を羽織ることがオシャレで粋と認識されていました。着物が美術工芸品としての価値を高めたのもこの頃です。着物の技術も飛躍的に向上し、家の財産として代々着物を引き継いでいく習慣も生まれました。

明治時代になると、西洋化を進める背景から、洋服を身につけることが推奨されるようになります。一般の人にも、和洋折衷の服装が浸透しました。その後戦争などを経験し、現在では、着物は晴れ着として認知されています。日常的に着用することは少なくなりましたが、現代の日本人も愛されている民族衣装です。

また、世界的にも高い評価を得ています。日本独自の色彩感覚や繊細な美意識が活かされた着物に憧れを抱く外国の方も多いです。日本旅行の際に、レンタル着物などで記念撮影する方も多く存在します。今や着物は国際的に高評価を得ている、日本の誇りの一つと言えるでしょう。

歴史を感じながら着物を着てみませんか?

長い歴史がある着物。歴史のロマンを感じながら、現代の日常で着物を取り入れてみても良いでしょう。最初は夏祭りに浴衣を身にまとうことから始めてみても良いかもしれません。日本の風土に合っていることもあり、洋服とはまた違った着心地の良さを味わうことができます。また、日本人の体型に合っているので、よく似合い美しさが引き立ちやすいでしょう。

日本の着物に関心を抱く外国の方も増えていますので、歴史を理解しておくとコミュニケーションのきっかけになることもあります。質問されても、答えることができますよ。

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