大人女性にもぴったり!小粋でカワイイ「兵児帯」の結び方 | KIMONO NADESHIKO

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大人女性にもぴったり!小粋でカワイイ「兵児帯」の結び方

引用:YouTube by spicespice30
男物の帯の一種で、西南戦争の折り、薩摩兵が日本刀を差すために服の上から絞めていた「兵児帯」。普段着として着用しやすいために、明治維新とともに全国へと広がり、現在では男物のほか、子供用としても重宝されるようになりました。

そのカジュアルさや、やわらかい雰囲気から、近年ではあえて女物の浴衣に合せるケースも増えています!今回は手軽に浴衣が楽しめる兵児帯版「リボン結び(蝶結び)」の結び方を紹介します。

(1)伊達締めを絞め、帯板をつける。

兵児帯を締める前の準備段階について説明します。まず着物を着たら、伊達締めをつけて、帯板まで装着しておきます。絞りの兵児帯には、表と裏がありますので、間違えないように注意しましょう!見極め方は、絞りが尖っている方が表と覚えましょう。

兵児帯の裏表を見極めたら、裏を上にして、兵児帯を下から半分の幅に折り上げます。そして輪を下にして、兵児帯の中心が身体の中心に来るように巻いていきます。この時、もし一人で着付ける場合は、兵児帯を前で結び、最後に結び目を背中側に回す方法が簡単です。

帯の巻き方は地方によって「時計回り(関東巻・関東腹)」と「反時計回り(関西巻・関西腹)」に巻く結び方があるようですが、どちらが正解という訳ではないので、自分のやりやすい巻き方を選んで兵児帯を結んでみてください。

(2)兵児帯を胴に2周巻いて、締める。

兵児帯の巻き始めは、一番下の層になる部分が帯の上にくるようにし、兵児帯を2周巻いていきます。この時、1周ごとに「きゅっ」ときつく感じるくらいに兵児帯を左右に締めることで、着崩れを防ぐことができます。兵児帯を2周巻き終わったら、結び目が帯の線上にくる位置で兵児帯を絞め、左右の兵児帯の長さを調整します。

この時、着付け初心者は、左右同じ長さに結ぶと、普段から慣れている蝶結びの要領で帯をきれいに仕上げやすいです。比較的着物慣れした中級者以上なら、意図的に左右のたれの長さを変えて、兵児帯のデザインや質感によって、結び方のアレンジを楽しんでみるのも良いでしょう。

(3)リボン結びを作って、形を整える。

兵児帯を胴回りで一度絞めたら、帯の下に出ている兵児帯を折るようにして、リボンまたは蝶結びの形を作っていきます。そうすると帯の上に来ている手先が、最終的に結び目の表面となり、きれいに帯を仕上げてくれます。

子供の浴衣を着付ける場合はこの結び方で、無邪気に可愛らしく仕上げるのが典型的な兵児帯の結び方ですが、もし髪型や着物のデザインなどによって、大人可愛く兵児帯の結び目をアレンジしたい場合、このままでは少し子供っぽい印象を与えてしまうため、さらに小粋に仕上げることにします。

ここからは、両方、または長さ違いで長く出した方の帯の手先部分を、帯の結び目の下から上に通します。そして結び目の上から「ふわっ」と出すような感じで、左右の長さを調整しながら、帯を整えます。ほんの簡単なひと手間で、上品なお姉さん風になりますよ。

あえて兵児帯を使い、やさしく、やわらかい印象に!

兵児帯はもともと兵隊さんが身につけていた帯なので、フレキシブルな動作に向いています。実用性が高く、結び直しも簡単です。本来は男性用として全国に知られた帯でしたが、やがてその使いやすさから、子供の浴衣用、また現代では女性の浴衣用としても、広く一般的に用いられるようになりました。

兵児帯なら、難易度が高いように感じられる帯も簡単に結べ、若い方でも、着付けが苦手な方でも比較的抵抗がなく結べます。 女性用の兵児帯は、シフォンスカーフのように、やさしく、やわらかい印象の結び方に仕上げられるのが魅力です!色違いや素材違いで、二本同時に使用して、結び目を意識的に二重に飾る結び方も、ボリュームが出て、なかなかオシャレですよ。

着物にアクセントを加えるために、ここにレースやキラキラ素材の飾り紐を組み込んだり、大き目のお花や羽のヘアクリップなどを留めて、飾ってみたりと、自分なりに考えてアレンジできるのも、自由度の高い兵児帯ならではの魅力ですね!

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