初めての着物は訪問着を〜知っておきたい訪問着5つのポイント〜 | KIMONO NADESHIKO

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2017年10月19日

着物

初めての着物は訪問着を〜知っておきたい訪問着5つのポイント〜

引用:GATAG
最初に1枚だけ着物を買うなら訪問着がいい……と勧められたことはありませんか?訪問着は、結婚式や披露宴、入学式・卒業式・七五三、さらに、同窓会・食事会・お茶会などに着用できる万能な着物です。格調高いものからモダンなものまで、と種類が豊富なのでTPOに合ったものを選ぶ必要があります。ドレス代わりになる1着が欲しい、習い事に着たいなど、ある程度用途を絞って買いましょう。ここでは、訪問着の基礎知識をご紹介します。

訪問着と色留袖ってどう違うの?

引用:GATAG
訪問着と聞くと「フォーマルな場で着る値段の高い着物」というイメージがあります。けれども、実際はどのような着物なのか詳しく説明できない……という人は少なくありません。また、訪問着と色留袖は一見似ているので、それぞれの特徴を知らないと違いが分かりにくいかもしれません。まずは両者の違いを覚えておきましょう。

【色留袖とは】
「色留袖」とは、ベースの色が黒以外の「留袖」のことです。(黒いものは「黒留袖」と呼びます)留袖とは、女性の着物の中で最も格式の高い着物になります。色留袖の特徴は「上半身は無地で下半身におめでたい模様があしらわれている」ことです。色留袖は未婚・既婚関係なく着ることができ、礼装から準礼装まで幅広く着用できます。また、色留袖には「紋」が付いていて、五つ紋は一番格式が高く、親族の披露宴や祝宴にぴったりの装いです。三つ紋・一つ紋は略礼装になるので、ゲストとして招かれた披露宴やパーティーに向いています。

【訪問着とは】
訪問着は、留袖の次に格式の高い着物です。色留袖は上半身は無地ですが、訪問着の場合は「肩から胸元、裾につながるように模様が入っている」のが最大の特徴なので、この違いを知っていれば一目で両者の違いがわかるでしょう。訪問着の柄は、伝統的なものからモダンなものまで数々の種類があります。訪問着は年齢を気にせず着ることができ、披露宴やパーティーなどから卒業式・入学式などさまざまな場面で着用できるので便利です。

どんな場面にどんな柄?訪問着の選び方

引用:Flickr
フォーマルからカジュアルまで様々なシーンで着ることができる訪問着ですが、シーンごとに相応しい柄や色、着る人の年齢、フォーマルの度合いなどによって選ぶことが大切です。基本的なルールを知っておくと訪問着選びの時に役立ちます。

【結婚式・披露宴など】
明るい色目で華やかな吉祥古典柄・花丸文・鶴などのおめでたい柄がよいでしょう。「白ベース」は花嫁の衣装、「黒ベース」は親族の黒留袖と被るので避けてください。

【入学式や卒業式】
訪問着は、お子さんの入学式や卒業式などおめでたい場所にもぴったりです。淡めで上品な色合いの花柄など、清楚な雰囲気のものがいいでしょう。入学式や卒業式は春なので、桜柄の訪問着も良いのですが、七五三の時にも着用するようでしたら、四季の花をあしらった着物のほうがオールシーズン使い回しができて便利でしょう。

【お茶会】
普段のお茶の稽古で訪問着は着ませんが、改まったお茶会の場合は訪問着が必要になります。色や柄は控えめで一つ紋のものがふさわしいでしょう。訪問着は、合わせる帯や小物などによっても雰囲気は変わります。白や淡い色の訪問着の場合、帯や帯締めなどに「黒」を合わせるとぐっと引き締まって見え、同系色でまとめると優しい雰囲気になるでしょう。同じ着物でもガラッと印象を変え、違う着物のように見せることができるのも訪問着の魅力です。

個性的でモダンな訪問着はレンタルで試す!

引用:visualhunt
訪問着は「淡いピンクや水色などの優しい色ばかりだから苦手」「無難な柄ばかりで皆同じに見える」……という人もいます。昔から訪問着はフォーマルな場でも着るので、「控えめで派手過ぎず、上品な色合いや柄で」という暗黙のルールがあるため、どうしても没個性な感じがする面もあるのです。けれども、最近では若い世代を中心により華やかで個性的な柄を好む人も増えています。

たとえば、現代の着物よりも色彩が華やかで大胆な柄が多い大正時代後期〜昭和初期の訪問着はモダンな雰囲気なので、「皆と同じような訪問着は着たくない!」という人にぴったりです。また、デザイナーズブランドの訪問着も独特の色使いや柄の着物を展開しています。「でも、個性的な訪問着は着回しがしづらいのでは?」と心配になりますよね。そんな時は、レンタル着物ショップを利用するのがおすすめです。さまざまな種類の訪問着を扱っているショップもあるので「買うのは悩んでしまうけれども、個性的な着物を着こなしてみたい」という人のニーズにぴったりでしょう。

訪問着に合う帯の結び方を知っておこう

引用:visualhunt
訪問着には、主に「袋帯」か「名古屋帯」を合わせます。結婚式や披露宴のようにおめでたいフォーマルシーンでは、金糸や銀糸を織り込んだ袋帯を選ぶのが一般的です。また、披露宴よりもかしこまらないパーティーやお茶会の場合は、名古屋帯にしてフォーマル感をカジュアルダウンします。

礼装の場合の袋帯は「お太鼓結び」をしますが、結婚式の時には「喜びごとが重なるように」という意味を込めて「二重太鼓」にすることも覚えておきましょう。名古屋帯は、準礼装やおしゃれ着物まで幅広く使え、結び方もいろいろあります。基本的には、訪問着には「一重太鼓」ですが、若い女性の場合は「ふくら雀」などでもいいでしょう。

訪問着のヘアスタイルはボリューム感が大切

引用:YouTube by URYEE
訪問着姿をきれいに仕上げるためには、帯や和装小物なども大切ですが、ヘアスタイルも重要なファクターになります。せっかく完璧に訪問着を着こなしても、ヘアスタイルがただのアップスタイルではサマになりませんよね。訪問着にふさわしい髪型のポイントは、「ある程度ボリュームを出す」ことです。大げさに膨らませすぎるのもおかしいのですが、ボリュームが無いと頭だけ貧相な雰囲気になって訪問着と釣り合いが取れません。後頭部に高さを出すと、頭の形が綺麗に見えます。

髪が長めの人は、ウエーブのパーマをかけておくと、着物の時にアップスタイルをつくりやすくなります。短目のヘアの人は、前髪をかきあげてポンパードールを作りボリュームを出して髪飾りをつけたり、片側のサイドはピタッとさせて大きめのコサージュ状ヘアアクセサリーを付けたりるのもおすすめです。着物の柄や色に合った飾りを選んでください。

訪問着はレンタルで着慣れてから買うのもおすすめ!

タウン用のカジュアルな着物と違って、訪問着やそれに合わせる帯はそれなりの値段になります。初めて買う人は、買ってから後悔しないように最初はレンタルを利用するのもおすすめです。何種類か着てみて、自分に似合う柄や色を見つけてから購入するほうが失敗しないでしょう。訪問着は帯や小物を変えれば、印象も変化させることができます。長く着れそうな1枚を見つけてくださいね。

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