浴衣をもっと楽しむために 帯結びのバリエーション | KIMONO NADESHIKO

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2017年9月18日

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浴衣をもっと楽しむために 帯結びのバリエーション

引用GATAG

朝顔、スイカ、花火大会に夏祭り、そして日本の夏といえば浴衣!ですよね。涼しくはないけれど…、見た目と気分だけでも涼やかに。とっておきの夏のお洒落を楽しみたいですね。去年と同じ浴衣でも、帯を変えたり、結び方を変えるだけで、新鮮な装いになるものです。そこで、今回は浴衣を楽しむための帯のコーディネートや、結び方についてご紹介しようと思います。

浴衣に合わせる帯の基本「半幅帯」

半幅帯は浴衣をはじめ、小紋や紬などカジュアルな着物に合わすことのできる使い勝手の良い帯です。名前の通り、袋帯や名古屋帯が八寸幅(30cm前後)であるのに対し、その半分の四寸幅(15cm前後)で、長さは比較的長め(約360〜400cm)です。扱いやすく、手軽に様々な結び方を楽しめる帯です。素材も正絹からポリエステル、綿、麻などバリエーションに富んでいます。初心者には滑りが良く結びやすい正絹やポリエステル製がおすすめです。ポリエステルのものですと、縁日などで食べ歩きをする際も気兼ねなく合わすことができていいですね。

【小袋帯】
2枚の生地を袋状に縫い合わせた半幅帯で、表と裏で2つの表情を楽しめるお得なリバーシブル帯です。それぞれの面を単独でも楽しめますし、結び方によっては両面を使ったり、片面をアクセント的に使うのも素敵です。

【単衣帯(ひとえおび)】
1枚で仕立てられた薄手の帯です。薄くても張りや光沢があるものが多く、浴衣姿を軽やかにキリッと引き立てます。浴衣帯とも呼ばれます。

よりカジュアルで楽チンな「兵児帯」

兵児帯(へこおび)は、もともと男性や子どもが用いた帯で、明治維新の頃に薩摩藩士が用いたことで、全国的に広がったと言われています。正絹に絞りを施したものが最もベーシックですが、絹や木綿、ポリエステル、ウールなど、様々な素材のものがあり、最近では大人の女性の間でも、気軽なお洒落を楽しむ帯として浸透しつつあります。柔らかくしなやかな兵児帯はアレンジがしやすく、工夫次第で何通りもの帯結びが可能です。子どもっぽいイメージがあるかもしれませんが、結び方を工夫すれば大人もシックに使えます。半幅帯にプラスして飾りにしたり、兵児帯のダブル使いなど、自由な発想で楽しんでくださいね。

初心者でも簡単 浴衣に合わせたい帯結び

引用:photo-ac

ここからは、浴衣と合わせたいおすすめの結び方をご紹介いたします。

【文庫結び】半幅帯
年齢に関係なく、結ぶことのできる半幅帯の基本です。シンプルな2枚の羽が控えめですが可愛らしく、羽の立たせ具合で違った表情を見せてくれる帯結びです。キリッと立たせればすっきりした印象ですし、背中に添わせるように羽を下ろせば、しっとりたおやかな雰囲気です。タレ先を巻きだたみにするか、屏風だたみにするかでニュアンスの違う帯結びになりますよ。合わせる浴衣や帯によってベストなバランスを見つけましょう。

【貝の口結び】半幅帯
キリッとこなれた印象で、派手さはありませんが、普段からさらっと着物を着てます感を出せるのが「貝の口」です。平面的な結び方なので、帯を気にせず、椅子にもたれることもできるというメリットも。平面的な帯結びでいえば【カルタ結び】は、さらにぺたんこな印象で、まさにカルタな見た目がおもしろいです。

【みやこ結び】半幅帯・兵児帯
半幅帯で普通のリボン結びを作り、結び目に2本のタレ先をかぶせた「みやこ結び」。揺れる2枚のタレが可愛らしくも小粋な印象です。結び方も簡単なのでぜひ試していただきたい帯結びです。兵児帯で結べば軽やかなボリューム感が出ておすすめです。帯の種類で可愛くも大人っぽくもなる結び方です。

【片流し】半幅帯・兵児帯
文庫結びを応用した帯結びです。文庫を崩し、片側のみをたらした「タレ先」が揺れる様が、こなれた雰囲気でお洒落です。

【粋結び】半幅帯・兵児帯
貝の口結びをアレンジした結び方で、帯締めを1本プラスして、少し砕けた感じのお太鼓風に仕上げた帯結びです。形を取りやすく、浴衣だけでなく小紋や紬などの着物にも似合う、大人っぽい粋な結び方です。少し張り感のある兵児帯を使えば柔らかな雰囲気に。

浴衣と帯の合わせ方 コーディネートのポイント

引用:足成

浴衣は合わせる帯でガラッと雰囲気が変わるものです。合わせ方のポイントは色々ありますが、まず間違いないのが、浴衣に使われている柄の1色から帯の色を選ぶ方法です。もともと入っている色なので、奇抜になることがなく、まとまりあるコーディネートになります。浴衣の模様が派手な場合や、反対に細かや模様がが全体に入っている場合は、無地に近い帯を選べば全体が引き締まり、アクセントになります。

浴衣と補色関係の色を帯に取り入れる方法もあります、ブルー系と黄色、パープル系と黄緑といった感じです。シャキッとした印象の着こなしになります。こなれた雰囲気にするには、色のトーンを揃えるのがポイントです。

これとは逆に、浴衣の生地と同系色の帯を締め、ワンピースのような感覚で同色でまとめるのも一案です。帯締めや下駄など小物の色使いでアクセントを作りましょう。

帯を新調する際は、実際に合わせたい浴衣をお店に持参できれば良いですが、難しい場合はイメージが湧きやすいよう写真に撮っていくのがおすすめです。

帯結びでどんどん広がる浴衣の着こなし

いかがでしたか。昔から「着物1枚に帯3本」と言われているように、着物は組み合わせ次第で様々なお洒落を楽しむことができます。そこに帯結びのバリエーションが加われば、コーディネートの幅はさらに広がります。ご紹介した帯結びは、少し練習すれば初心者でも簡単に結ぶことのできる結び方ばかりです。最も身近な着物=浴衣を楽しむ際のヒントにしていただけますと幸いです。

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