着物姿を決めるには肌着選びが大切!知っておきたい和装肌着の基礎知識 | KIMONO NADESHIKO

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2017年10月19日

着物

着物姿を決めるには肌着選びが大切!知っておきたい和装肌着の基礎知識

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「本当におしゃれな女性は下着に凝るもの」……と、いわれていますよね。それは、洋服だけでなく着物にも共通していることです。洋服の時と同様に、季節によって「汗取り」や「防寒」などの実用的な役目を持つアイテムを選びます。ですが、それだけではありません。着物姿を美しく仕上げるためには、下着や肌着で土台を作ることが大切なのです。便利でかつ着心地がよいアイテムをご紹介しましょう。

着物を着る時に必要な基本の肌着とは

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昔はブラジャーやショーツなどはなかったので、女性が着物の下に身につけているのは「肌襦袢」と「裾よけ」だけでした。確かにそれだけのほうが、着物にラインが出ずにすっきりして見えます。けれども、ブラジャーやショーツを身につけないのは抵抗がありますよね。現在では、着物のシルエットに響かない、和装用ブラジャーやショーツなどの肌着が販売されています。着物を着る時に必要な基本的な肌着を、身に付ける順番にご紹介しましょう。

1.着物用ショーツとブラジャー
2.肌襦袢:上半身に直接着る和装肌着で、汗取りの役目をします。
3.裾よけ:下半身に直接着る和装肌着です。洋装のペチコートの役目をします。
4.長襦袢:着物が直接肌に触れて汚れないように、また、着物の「滑り」をよくするために肌襦袢の上から着用します。

基本的に1〜3の肌着は、1年を通じて「吸湿性」がある素材の物を選びましょう。また長襦袢は、7〜8月の盛夏は麻・絽(ろ)・紗(しゃ)などの素材がおすすめです。それ以外の季節は、3シーズン使える塩瀬の半襟をつけた無双袖の長襦袢が一般的です。

※無双袖:袖の仕立て方の一つで、表に出る面も裏に出る面も「生地の表面」が出るように仕立ててあります。

さらに、肌襦袢と裾よけの両方が一緒になっているワンピースタイプの肌着もあります。特に着物初心者の人は楽に着ることができるのでおすすめです。

和装用ブラジャーとショーツの選び方

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「着物のときには、ブラジャーやショーツは身に付けないほうがいい」という人もいますが、それでは落ち着きませんよね。そこで、おすすめなのが着物専用にデザインされた和装用のブラジャーとショーツです。

【和装用ブラジャー】
洋服の場合、バストを寄せて上げて「谷間」を作るようなブラジャーを選びますが、着物の場合は胸をできるだけ「平ら」にします。胸元の隆起はないほうが着崩れしないのです。和装用ブラジャーは、ぴったりとしたタンクトップを胸の下でカットしたようなデザインで、胸元ができるだけ平らになるように綺麗に整えてくれます。フロントホックやファスナーがあり、ファスナーのほうが簡単ですが、壊れてしまうと使えなくなってしまうのでここではフロントホックをおススメします。

【和装用ショーツ】
着物の着崩れが一番多いのは「トイレ」です。着物の裾をたくし上げて用を足すので、おはしょりの周辺が崩れやすくなります。和装用のショーツには、脱がなくても用が足せる「股割れ」タイプがあり、腰位置が高く着物のヒップラインに響かないのも特徴です。本番の前に何度か試してみてください。「股割れ」ショーツが苦手で普通のローライズの方が脱ぎ着しやすいという人もいます。

ワンピースタイプの肌襦袢

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着物用の肌着として、肌襦袢と裾よけは必須アイテムです。けれども、最近は1枚着るだけで済むワンピースタイプの肌着も人気があります。初心者の人だけでなく、日常的に着物を着る人でも、カジュアル着物など着用する時はワンピース肌着を愛用しているようです。ワンピースタイプの肌着は、手軽に着ることができますが、セパレート式(肌襦袢と裾よけ)のほうが、衣紋の抜きを調節しやすいという利点があります。着物の種類などによって、両方使い分けるのもおすすめです。

また、肌襦袢の素材は、吸湿性と通気性があり、サラサラした肌触りの木綿製品が1番良いでしょう。木綿製品の肌着は、新品のままだとゴワつきが気になることもあります。1〜2度洗濯をして肌馴染みをよくしてから使うようにしてください。最近では伸縮性があり、リーズナブルなポリエステル素材の肌着もあります。値段は高くなりますが、品質にこだわるのであればベンべルグ素材の肌着もおすすめです。肌さわりが滑らかで洗濯にも強く、ポリエステル素材より静電気が起きないのも魅力でしょう。

汗取りにも冷え防止にも便利な和装用下ばき

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和装用肌着の1つ、下ばき(ステテコ)は、日本舞踊などをやる人の必需品です。体を締め付けることのないデザインで動きやすく、通気性がよく、汗も吸い取ってくれる便利なアイテムで、大切な浴衣や夏の着物に汗ジミができるのを防ぐことができます。最近では、日本舞踊をやらない方の間でも流行っているようです。特に、夏の暑い時期に出掛ける時、和装用ステテコを着用すると便利です。太ももの汗を吸い取ってくれるので、歩いたり座ったりするときにベタベタせず快適に過ごすことができます。

また、最近はお店や飲食店、乗り物などどこでも冷房が効いているので、浴衣1枚だと下半身が冷えます。和装用ステテコなら、夏の薄い着物でも冷えを防いで快適に着こなすことができるでしょう。もちろん、冬場は吸湿発熱性・調湿機能に優れている素材のステテコがあります。

補正タオルや補正パッドで体型を整える

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着物用肌着を身に付け、さらに補正用のタオルを使用する場合もあります。洋服とは異なり、着物の場合は体のラインの凹凸がなく「ずんどう」であったほうが美しく着こなせるからです。そのため、人によってはウエスト回りを中心に、タオルを巻いて体型を補正する必要があります。タオルは何でもいいのですが、高価で分厚いタオルだと扱いづらいので、薄手の安いタオルを用いるほうが多いようです。また、胴体に巻くだけの簡単・便利な補正パッドも市販されています。自分の体型に合ったものを何枚か用意しておくと重宝するでしょう。

きれいな着物姿は肌着から整えて!

洋服のように何枚も重ねるのではなく、1枚で着こなす着物は、下着や肌着でしっかりと土台を作ることが大切です。特に、肌着は直接素肌に触るものなのでデザインやサイズはもちろんのこと、素材の質も重要でしょう。自分の体型に合ったサイズで、長時間着ていても心地よい肌着を何枚か用意しておくと安心です。

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